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せいぼじゃぱんからのお知らせ
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マラウイからの声3「現地の教育」
公開日:2018.06.01

前回は、マラウイの一般的な食文化についてご紹介させて頂きました。
現地の天候に左右されながらも、自然環境と向き合いながら生きている
人々の姿が、食を通して分かるような気がします。
今回は、そんな中で生きる子どもたちの姿、
そして彼らが受ける教育についてみていくことで、
もっと具体的に、現地に迫っていければと思います。

マラウイの基礎的な教育制度について
マラウイでは5~7歳になると、家に最も近い小学校に入ります。
”片方の手を頭の上から回して反対側の耳に届いたら学校に行く時”、年齢は特に決まっていません。
それでも、最近では国際機関や国の方針もあり、保育園や幼稚園が出来ているので、
余裕のある家庭では2~3歳から私立の幼稚園に入れたり、
4~5歳になると村の保育園に行かせたりすることが多くなってきました。
小学校は8年間、中等学校(日本の中学3年と高校に相当)が4年間で成績の良い人は大学、
専門学校など家庭の経済状況に応じて進学します。
成績が特に良い生徒は”飛び級”もあるので、早い子は11、12歳で中学生ということもあり得ます。

教育を受ける機会
しかしながら、貧富差、地域差が大きく、中学校を卒業した後進学出来る生徒はほんの一握りです。
小学校では男女比にあまり差はないようですが、中学となると入学する時点ではクラスの4分の3程が 
女子でも、卒業出来る生徒は減ってしまうようです。
なぜかというと、子供が出来て学業を続けられない、
結婚のため、両親が授業料が払えなくなってしまう、といった理由があげられるでしょう。
文化的な背景としては、 ムジンバやカロンガなど北部では結婚する花嫁の家族が
花婿家族から牛をもらうので、女子が結婚すると家計が楽になるということもあるようです。
一方で、中学校まで終えて職を得た女の子は親に仕送りしたり、
家族の面倒を良く見てくれるので、女子を教育した方が良いと考える人たちもいます。
[caption id="attachment_4405" align="aligncenter" width="604"] 8年生女子

教わる科目について
教科は、国語(チェワ語)、算数、理科、社会、英語、生活、農業、聖書、
芸術(図工、体育、家庭科などが混ざったような教科)があります。
小学校は8年生、中学校は4年生で国が行っているテストに合格しなければ卒業出来ません。
小学校は600満点中200点以上が合格ラインですが、それでも留年せざるを得ない子供たちもいます。

子どもたちの夢
そこで、今年5月半ばに小学校課程修了試験を控えて、模試を受けている8年生の子供たちに、
“将来何になりたいか”をたずねてみました。
意外にも、女子の反応の方が男子に比べると格段に良いのでした。
男子は、ハッキリ目標が言えた生徒は少数で弁護士、軍人、教師など。
女子は、教師!看護師!警察官!裁判官!と目を輝かせていました。
また、大雨で舗装していない道路の土が削られていたところに、
土を埋めて直してくれていた近所の男の子(4年、5年、7年生など)たちにも聞いてみたところ、
警官、看護師、大統領、弁護士ということでした。
第4代女性大統領のジョイス バンダにより女性の中学校進学が推奨されて一般的になってきました。 
女性の力がこの国を変えていくことになるのか...見守っていきたいところです。

道を直してくれた子供たち

補足事項:マラウイの教育の変遷の概要
『英文マラウイ統計集「50 Years of Malawi in Charts」』のP40によれば、
マラウイでは1995年に初等教育の無償化が導入された後には、小学校への進学率は伸びています。
しかし、中学校に行く子どもたちは38%、それ以上勉強できる子たちは1%程度です。
前回の食文化、今回の教育についてを振り返ってみると、
毎日しっかり食事をして、高等教育を受けられる子どもたちは、
とても少ないと言えるでしょう。
しかし、国の将来を支えていくのも、彼らです。
夢を持って生きている子どもたちを支えるためにも、
せいぼは学校給食を大事にしていきたいです!