2025年10月、東京都の暁星高校にて、NPO法人せいぼによる特別講演が行われました。今回の講演では、「アフリカ・マラウイの現状と給食支援の意義」、そして「日本からできる支援のかたち」について、生徒たちに向けてお話ししました。
せいぼは、アフリカ南東部のマラウイで、幼稚園や小学校を対象とした給食支援活動を行っている団体です。現地では、多くの子どもたちが栄養不足のために十分に学ぶことができない状況が続いています。給食の提供は、子どもたちの健康を守るだけでなく、「食べられるから学校に行ける」という学びの動機にもつながり、教育の継続を支える重要な活動となっています。
講演ではまず、マラウイの地理や生活、そしてアフリカ全体が抱える「貧困と教育」「農業と気候変動」といった課題について紹介。写真や動画を交えながら、現地の子どもたちの笑顔や学校給食の様子を伝えることで、生徒たちは遠い国の話を自分ごととして感じることができました。
続いて、日本からの支援のあり方として、「寄付」だけでなく「ソーシャルビジネス」を通じて継続的な支援を生み出す取り組みを紹介。せいぼが運営する「Warm Hearts Coffee Club」では、マラウイ産のコーヒーを販売し、その収益を給食支援に活かしています。生徒たちは、消費と支援を結びつけるこの仕組みに強い関心を示し、「自分たちにもできる支援がある」という気づきを得ました。
講演の最後には、生徒から「どのように現地の人たちと協力して活動しているのか」「自分たちの学校でも支援を広めるには何ができるか」といった質問が寄せられ、活発な意見交換が行われました。
今回のプログラムを通して、生徒たちは“支援する・される”という一方向の関係ではなく、“共に未来をつくる”という視点で世界を見る力を育んだ様子でした。
せいぼでは、今後もこうした学校との協働を通して、若い世代が社会課題を学び、行動につなげる機会を広げていきます。